実は、誰もがふだんの生活の中で、魔法陣を「つかって」いたり、「つくって」いたりします。
たとえば、
恋人に花を贈ろうとして、花束を選ぶとき。
宝石や天然石をじっくり選んでいるとき。
カーテンや家具を部屋に合わせて選んでいるとき。
こうした何気ない場面に、魔法陣のエッセンスが隠れているのです。
少し想像してみてください。
「恋人に花を贈る」って、どういう行為でしょう?
花を贈る目的は、相手に幸せになってほしい、うれしい気持ちになってほしいからですよね。
でもそもそも、なぜ「花」をもらうと人は嬉しくなるのでしょう?
もちろん、「わたしのために選んでくれた」こと自体が嬉しい、というのもあります。
でも、もし贈り物が花ではなく、百科事典だったら?
調味料やナイフだったら?
人によって好みは違うけれど、
多くの場合は、花のほうが“気持ちが伝わる”と感じるのではないでしょうか。
それは、花が持つイメージが影響しているのです。
「きれい」「やさしい」「癒し」「感謝」・・・
花には、そういった「やわらかい意味」が込められている。
つまり、花は「やさしさ」や「思いやり」を象徴する「シンボル」なのです。
そして、シンボルは「意味をもった図形」=魔法陣でもあります。
恋人のことを想いながら、
「楽しんでくれるかな」「きれいだなって思ってくれたらいいな」
と願いを込めて花を組み合わせていく。
その行為そのものが、実は・・・
相手の心に作用する「多層構造の魔法陣」を組み立てているのです。
わたしたちが生きている「現実」とは、
脳が感覚器官からの電気信号をもとに作り出したイメージの世界です。
見たり、聞いたり、触ったりしているこの世界も、
実際には「脳の中にあるイメージ」なのです。
だからこそ、シンボル=魔法陣が、わたしたちの現実に大きく影響を与えます。
意味あるかたち、意味ある色、意味ある配置。
それらが重なり合い、内面に作用していく。
ちなみに、今いちばん多くの人が共有している“魔法陣”は何だと思いますか?
それは・・・お金です。
お金が「価値あるもの」とされているのは、
世界中の人がそう「信じている」から。
もしその信頼が崩れたら、ただの紙切れになってしまう。
意味を持たされたかたちが、
現実に作用する「しくみ」を、わたしたちは日常のなかでいつも使っているのです。