未分化の場と「問い」の起点
すべてが「ひとつ」だった世界・・・
そこには境界も意味も、感情すら存在しません。
「私」と「あなた」が分かれる前、
すべてが未分化に重なる〈0=∞〉という静かな領域。
しかし、その静けさの中で、すべてが一点に集まった世界が、
ふと「裏返った」ような違和感が現れます。
あまりにも一体であるがゆえに、識別も感覚も芽生えない。
たとえ光や闇、問いや痛みがあっても、
それを受けとめる余白すら持てないのです。
無識では、問いさえ育つ場所がない。
だからこそ、問いは大切です。
問いとは、未分化だった場に小さな「違い」を差し込む行為。
その小さなひと差しが、世界に少しずつ「かたち」を与え始めるのです。